さて。
地域おこし協力隊を退任することを公表しましたが、実は素直に喜ぶことが出来ていませんでした。
まぁ現在は決まった事実に対してそこそこ受け容れることが出来ているのですが、今回は何故そうだったのかというのを自分なりの表現で書いてみたいと思います。
まず大前提として、地域おこし協力隊の最大の任務はその土地への定住であり、それに付随すること(特に仕事)は任期中にある程度目星をつけておく必要があります。
そこから言えば、今回の退任&就職は、幸福な結末のひとつと言えます。
町内に就職し、そのまま町内に住み続けることは、八雲町に来てくれということで合格を出した行政の望みそのものとなります。
その望みは叶うこととなりましたが、なぜかすっきりしない。
その理由は簡単でした。
つまり「協力隊の立場や仕事が面白く感じているから」なのでした。
1年通してやってみて、至らなかった部分は多数ありました。
反面、自分がやりたいと思ったことをカタチにすることが出来ました。
現実部分として難しいと感じることは多々ありつつも、地域おこし協力隊という立場であったからこそできたことがある。
バランスとしては難しいこともありましたが、何かを行うことができるということに、何かしらの醍醐味を感じていました。
協力隊としての仕事に面白みを感じている理由は、これだけに留まりません。
単純に言ってしまえば、「人のつながり」も面白いからです。
たかだか1年で形成された関係ではありますが、まだまだ醸成する甲斐があると感じているからです。
ぼくも役場の人間なのですが、同じ1年目として入庁した役場のとある課の職員さんとお話する機会があったのですが、当初その方はどのように仕事していいかわからず、仕事が辛いと仰っていました。冗談か本気なのかはわかりませんでしたが、仕事を辞めようかとも話していたのです。
必死でという訳ではありませんでしたが、ぼくはそれを止めました。
いま判断するには早すぎる、と。
まずは与えられた仕事をこなしていこうよ。そうするととある時期から仕事の内容が変わって来るし、考えることも求められてくるからといったことを話したと記憶しています。
それから数か月経過した頃、既にその職員さんはその課の立派な戦力として日々役務に打ち込んでいました。その姿を見て、自分自身が励まされ、鞭打たれる想いをしたことを昨日のことのように覚えています。
じつはと言いますか、ぼくにも「こんなくだらねぇ仕事!!!」と思っていた頃がありまして(実はいろいろありました 笑)、その頃は本当にやさぐれていました。その時はぐっと押さえて今日に至るのですが、今思えば相手を励ましておきながら自分だけ途中で投げ出すことは出来ないなと思いました。
人の成長もこの立場から見ていきますと、単純に仕事をしているだけじゃないんだなと思ったのです。そうしますと、仕事の価値ががらりと変わった感覚を憶えました。最大限の任期は3年ですが、ひょっとしたらその3年でも同じような気持ちかもしれませんし、そうはならないかもしれない。そう考えますと不思議なものです。
その一方で、必ずしも地域おこし協力隊がその立場に見合った仕事が出来るわけではありません。人がかかわる仕事のため、順調にいかない危険性も含んでいます。成功例ばかりが前面に出てしまいますが、まだ自治体の中では「余計なことはするな」という空気を持ったところが少なくありません。その他、色んな考えの擦れ違いによって抑圧されていると感じ、その町を去るケースのほうが多いのではないかと思います。
そう。定住する(できる)ケースは少ない。
統計を取っているかはわかりませんが、実際は少ないと感じます。
その事実が「自分のマチ」で起きていることをどのように受け止めているかで、大きく変わっていくと思いますよ。責任転嫁していてはだめってことですね。それを認めない自治体のほうが、おそらくは多いはずだと思います。
まだできる。
まだやりたい。
そう想いが傾いてきた頃に、内定の通知が出ました。
だから気持ちを立て直すのに多少なりとも時間がかかっています。
気持ちの整理はまだですが、実際に準備は進めている状況。
だからなおさら、今は自分がしてきた仕事のすべてを振り返っています。
もう残りの勤務日数も少ないですが、しっかりと残し、しっかりと引き継ぎ、そしてしっかりと想いを伝えていくことをしたいと思いました。