つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

【詩】それはいのちの

f:id:maruyamabase:20191109185639j:plain

ここにはドラマがあった

 

 

毎年 鮭が産卵のために標高のあるこの場所まで来るそうだ

 

 

低い場所で行わないのかと思ったが

 

これがいきものの習性なのだと気づくと

 

何も言えなくなった

 

 

 

ただただ無心で

 

続くものを残さんとしていた

 

 

 

f:id:maruyamabase:20191109185858j:plain

 

 

その身は襤褸雑巾のようになりながらも

 

士気は逆に高まる

 

その一瞬一瞬に

 

爆ぜるものを込める

 

徐々にその動きは衰えていくが

 

その威厳と気品は最後まで萎むことはなかった

 

 

 

f:id:maruyamabase:20191109190043j:plain

 

 

そしてついには泳ぐことを断念し

 

川の流れに身を任せて横たわる

 

その姿に誰もが敬意を払っていた

 

 

 

 

見かけることは少ないが

 

あらゆるいきものがいのちを持っていて

 

そのいのちを繋げようとしている

 

それは線路のように

 

それは道路のように

 

それは天の川のように

 

それは言葉にならない想いのように

 

 

 

 

 

 

それはいのちの

 

それはいのちの