【詩】空にとどろく
雲ひとつない空のはずなのに
どこからか音が通り過ぎてゆく
空を裂いているわけでもないのに
その音が来たときほど
何が起きたのかと思うくらいの気持ちになる
どんどん不安になり
どんどん焦りが積もる
それほどに
空から降り注ぐ音の大きさは果てしない
光とともに叩き込まれる音もある
それはかつて誰かの怒りだと表現された
果たしていまはどうだろうか
空にとどろく音はそれだけだろうか
いいや
どうにもたまらなくなって
空に向かって叫ぶ人はいる
その叫びは空に包まれて消えていくが
叫びに込めた祈りは
空から雨のように降り注げばと思わずにいられない
空から世界を見下ろすことが出来たなら
空から音を届けることが出来たなら
きっと遠いあの人も振り返ってくれるのではないかと
空の青に下書きをしてみた