つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年2月の読書感想文⑩ 秋葉原先留交番ゆうれい付き 西條奈加:著 角川書店

西條奈加さんのお名前は知っていたのですが、これまで作品を読んだことがありませんでした。こちらは八雲町立図書館の企画コーナーで目に留まり、借りてきました。

 

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秋葉原先留(さきどまり)交番ゆうれい付き 西條奈加:著 角川書店

八雲町立図書館蔵

 

ミステリーか、はてまたコメディか。

幽霊が見える警官にオタクの警官。

 

クセがある人たちと、地域の拠点として求められる交番を舞台に広がる謎解き(事件解決)と、ほろりとする愛の物語になります。事件は複数ありますが、大きな謎の解決に向かって、ゆるやかに話は進んでいきます。

 

何かと問題を起こす主人公の警官が、かつて赴任していた交番に異動してきます。

その際に「足」だけが見える幽霊と出逢い、一緒に赴任(と言っていいのか)してきます。何とかコミュニケーションを図り、足の正体(女性とわかっています)といいますか、なぜそうなったのかの事実を突き止めにかかります。

 

舞台は秋葉原であることから、ご当地事件(のようなもの)が発生します。

オタクは何かと不思議な目で見られることがありますが、本書はそこが活きてきます。まさしく、何が役に立つのかわからないといった具合です。一部の人にしか見えない幽霊とのやりとりや、未知なる感覚の捉え方、そして2時間ドラマのような展開。実写化してみたら受けるかも~と思ってしまいます。

 

八雲町内で交番はなく、警察署と駐在所があるのみです。

交番を訪れる機会はそうないですが、そこには個性のある、しかし使命感に溢れる警察官がいることを、忘れないようにしておきたいと思います。