つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

【詩】セプテンバーイレブンの夜に

もういつだったろうかと思えるほど前のことだけど

 

膝から崩れ落ちるような光景を目にした

 

あれが現実のものなのかと疑いながら

 

その国にいる同級生の安否を気にしていた

 

 

 

そこからなのだろうか

 

膝が崩れ落ちるほどの経験を繰り返している

 

そして

 

いつからか人間の感情はどこか殺伐とし

 

そして温かみの波紋が小さくなっていった

 

そうしているうちに世界は怒り

 

いつのまにかわたしたちにも伝染している

 

 

 

何かが発達する一方で

 

何かがどんどん幼稚になっていく

 

それを老いだとどうしても勘違いしてしまう

 

そんなわけないのに

 

 

 

どんなに声をかけても

 

その声はただ空を切る

 

それならばいっそ

 

もう声をかけることをしなくなっても変わらないということ

 

それを悲しいと思うのはおそらく自分だけ

 

 

 

どうにも救えない人間になってしまったようだ

 

 

 

何かを期待することに疲れを感じるようになったのは

 

年齢のせいでもあり時代のせいでもある

 

そう思いたいと願いながら

 

ウイスキーをストレートで流し込む

 

 

 

かといって塩対応は苦手

 

そのように振舞ってしまうこともあるけれど

 

すぐに崩れる

 

どうやらぼくは感情のカタマリらしい

 

 

 

いつもは霧が濃くなるのだけれど

 

セプテンバーイレブンの夜は不思議と霧が晴れて

 

あなたに見せたい満天の星が世界に広がっていた