つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

予防はどこまでが適正か。

1か月ほど前ですが、北海道にある国道五号線の道路上で大型車と高速バスの正面衝突事故が発生し、死者が出てしまいました。

 

これは全国ニュースでも報じられたのですが、事故の規模の大きさもさることながら、事故が起きてしまった路線区間がかなり前に「危険な区域」として設定されていたこと、そして何らかの対策を講じなければならなかったが、長い間何もされていなかったことなどが報じら、物議を呼びました。

 

その後ですが、緊急的に会合が開かれ、対策を講じることが決定し、事故が起きた区間の対策工事を施工しています。

 

 

 

この区間は日ごろ通行するところではないですが、函館方面に向かう際には必ず通行しなければならない道路です。

 

先日ですが、事故後にその区間を通りましたが、どのドライバーもかなり意識しての通行をしていました。速度取り締まりなどの啓発活動が行われているというのも理由ですが、一番の理由は事故の衝撃が大きかったからではないかと感じています。

 

もっと早く対策を講じることが出来ていたら。

もうこれは「もしも」でしかなくなりましたが、そう悔やむ人たちは多くいるようです。

この区間はかなりスムーズに走ることが出来る区間であり、ついついスピードも出てしまいます。現在は新幹線残土を運搬する大型車に加え、運送トラック等も往来する区間であるため、交通量は多めです。これが休日になりますと、一般車両も増えますので、区間によっては車列が出来ます。

 

こんな状況の中での大事故が起きたこと、かなり前に危険視されていたことなどから、予防を強く意識することになりました。

 

 

 

しかし実際は、ですが、危険区間「すべて」に対策を講じることは、現実問題として難しくなってきているのでは?という疑問があります。

道路は新設や修繕等を含め、多岐に渡る工事があります。やるべき場所は多いのに、編成される予算は限られてきます。そうなるとすべてに着手することは難しくなります。この工事に充てる財源は、もちろん税金になります。

 

必要な処置はすぐに行うべきだと考える人もいれば、徹底した経費削減を唱える人もいます。「何も起きていないのに工事をする必要があるか?」という極論(あくまで一例)で、公共工事を毛嫌いする人は根強く存在します。そういう人に限って、今回のケースは「怠慢だ」と憤るかもしれませんが。

 

 

日本「だけ」と感じてしまうのですが、どうにも「予防」のための行動には消極的です。何かしら事が起きない限りは、首を縦に振らないことが多いです。

わたしたちは予防に対する考え方を、大きく変える必要があるのかもしれません。

 

今回の事故で被害に遭われた方に深くお見舞い・お悔やみを申し上げるとともに、一歩前に進んだ議論と展開が行われるよう、この区間の道路を通行するいちドライバーとして願うばかりです。