晴れから曇り そして雨と矢継ぎ早に変わっていく天気
しかしながら梅雨明けのような 息苦しさを突き付ける空気は
生活圏に常に漂っている
車のエアコンについ避難してしまうのだが
いつも諦めてまとわりつく空気のただ中に飛び込んでいく
まだ大丈夫とお経のように唱えながら
長い時間を過ごしていく
これは相当のものを奪っていくし
下手をすれば明日はずっと布団の中
それほどに恐ろしいものなのだが
どうしても人間はギリギリまで何も言おうとしない
その天秤にかけられているものは
自分にしかわからない倫理だった
リアルでもネットでも
途端に距離が離れることがある
いつのまにか遠のいていて
離す離さない以前の話になっていることがある
あの日あなたはこういった
繋いでいる手を離してしまったの と
その言葉の意味するところは 実は結構重い
実に重いのだ
この上ない衝撃とともに意識から何から遠のいていく
もしぼくのほうから手を離したのであれば
ぼくはその時点で終わらせることを選んでいるだろう
バカげた話に聞こえるが
既に世界ではそうやって終わらせる有名無名の人が後を絶たない
そうすればもうあなたの拒絶の声も届かないのだから
メリットはあると考えてしまう
晴れているのに吸う空気が物体で
呼吸もままならない毎日
意識もいのちも遠のいていきそうだったけど
それをなんとか離さずにいる
ぼくは何を求めて生きているんだろう
カーエアコンの冷たい風が前髪をかきあげた