つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

【詩】蛇口を捻る手

この季節の水はとても冷たい

 

しもやけになるかと思うくらい

 

 

 

 

その蛇口から出てくる液体は

 

大体は水なのだけれど

 

今やお湯も出れば

 

温泉も出るなんてところもあるそう

 

ジュースのような飲み物は

 

どこかで出てくるのだろうか

 

 

 

ただそこから出てくる液体は

 

どこかに貯蔵されているのであって

 

無限に見えて実は有限のものであって

 

時折わたしは勘違いしてしまう

 

資源を大切にしろと拡声器が叫んでいるように

 

わたしたちは目の前だけの現実を都合よく見てしまっている

 

 

 

 

それでも悲しいことに

 

都合よく蛇口を捻る手はきょうも存在する

 

 

 

 

蛇口から流れる水の冷たさは幻想ではなく事実で

 

目を背けても動かしようのない感覚

 

それをお湯にするか温泉にするかは

 

設備を整えていく必要があって

 

いきなり出てくるものじゃない

 

あたりまえのようにしていくには

 

あたりまえの努力が求められていく

 

水が冷たいのはあたりまえ

 

お湯があたたかいのはあたりまえなのだから

 

 

 

 

 

 

蛇口を捻って水を引き出す

 

その冷たさに眠気が覚めるように

 

現世にいることを受け容れて

 

現実に醒めることが出来れば

 

きょう炊いたご飯もいつもよりおいしく感じるのかもしれない