この季節の水はとても冷たい
しもやけになるかと思うくらい
その蛇口から出てくる液体は
大体は水なのだけれど
今やお湯も出れば
温泉も出るなんてところもあるそう
ジュースのような飲み物は
どこかで出てくるのだろうか
ただそこから出てくる液体は
どこかに貯蔵されているのであって
無限に見えて実は有限のものであって
時折わたしは勘違いしてしまう
資源を大切にしろと拡声器が叫んでいるように
わたしたちは目の前だけの現実を都合よく見てしまっている
それでも悲しいことに
都合よく蛇口を捻る手はきょうも存在する
蛇口から流れる水の冷たさは幻想ではなく事実で
目を背けても動かしようのない感覚
それをお湯にするか温泉にするかは
設備を整えていく必要があって
いきなり出てくるものじゃない
あたりまえのようにしていくには
あたりまえの努力が求められていく
水が冷たいのはあたりまえ
お湯があたたかいのはあたりまえなのだから
蛇口を捻って水を引き出す
その冷たさに眠気が覚めるように
現世にいることを受け容れて
現実に醒めることが出来れば
きょう炊いたご飯もいつもよりおいしく感じるのかもしれない