つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

整理棚からひとつかみ。 ジャズ編 その234

OFFering Live At Temple University / John Coltrane

 

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B0019632-02


Disc:1

1.Naima
2.Cerscent

 

Disc:2

1.Leo
2.Offering
3.My Favorite Things

 

parsonel

John Coltrane(ss,ts,fl,vo)
Pharoah Sanders(ts,pic)
Alice Coltrane(p)
Sonny JJohnson(b)
Rashied Ali(ds)

-Additional Musicians Include-
Steve Knoblauch(as)
Arnold Joyner(as)
Umar Ali(conga)
Robert kenyatta(conga)
Charles Brown(conga)
Algie DeWitt(bata drum)

Recorded at Mitten Hall,Temple University,Philadelphia,PA,November 11,1966


世紀の大発見。
これまでこの音源の存在は認められずにいたものが、ふとしたことがきっかけで世に出た。
その後権利関係の契約をクリアし、リリースにこぎつけたというものです。


録音は1966年。晩年も晩年である。テンプル大学の実行委員会に招かれたコンサートでしたが、結果は赤字となります。
聴衆は700人という記録で、ホールの半分も入っていなかったとのこと。この原因としては広告内容に相違があったりとか、扱いが小さかったりなどしたそうで、ちょっとした「運命のイタズラ」にも感じます。

この音源は、長く論議の対象となっていたそうです。その理由はコルトレーンのパート。そこに「vo(ヴォーカル=声)」とあります。
至上の愛でも詠唱の声は入っていましたが、改めてvoとクレジットされているのは後にも先にも見たことがありません。
背景を見ていくと、楽器を演奏中だったコルトレーンは突然演奏をやめ、胸を叩きながら声を発したそうです。
その展開をいろいろ捉えるひとはいたようですが、その真相は謎のままです。
ただ、彼にとっては「声」も、その曲に必要な「音」であったのではないか、というのがぼく個人の考えです。

音源は一部途中からの録音となっていますが、これは決してミスではなく、コルトレーンがアナウンスそっちのけで演奏をはじめてしまったらしく、そこから大慌てで録音に取り掛かったそうです。
これを「ジャズライブ」と捉えるかどうかはその人によりけりですが、これがコンサートとしたかったのか、または何かの集会としたかったのか。
一度この晩年の音源を聴き、感じてみてはいかがでしょうか。