つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年6月の読書感想文⑯ 春を背負って 笹本稜平:著 文春文庫

表題作は映画になりました(と思う)。山小屋を営む主人公と、そこに引き寄せられる人たちの物語です。

 

春を背負って 笹本稜平:著 文春文庫 個人蔵

 

 

当初主人公の父親が山小屋を経営していたのですが、亡くなってしまったことで山小屋の経営を継ぐことになります。山小屋の主人として山で過ごしていると、実に色んな人と出会う、といった流れのお話になります。山岳小説というくくりになるようなのですが、山登りがメインではなく、人間の心にあたたかな影響を与える、森林療法に似た感覚が残るお話だと思います。

 

本作は6篇の短編からなる小説となっており、それぞれにクローズアップされる人物が異なります。ひょっとすると、ご自身と重なる部分がどこかにあるかもしれませんね。

随分前に映像で見ましたが、見返してみたいなと思いました。