「利他」というキーワードがこの時代だからこそ注目されている中で刊行されたもので、やっと読むことが出来ました。
対談集となっています。
読みますと、その深さに驚かされます。料理を起点とした展開がすさまじく、分野の境界など最初からなかったかのような広がりを見せていきます。
コロナの時代における料理と、自然とのかかわりに触れており、どうしても残り続けるであろう課題について、政治学者と料理研究家が言葉を交わしています。
それは互いにまったく理解できないことを一方的に話していくのではなく、共感とひらめきを以て迎え入れらており、読者にも発見の兆しを与えています。
この本を読んでも料理の腕はあがらないと思いますが、料理に対する意識は大きく変わります。それはたぶん、目に見えない出汁のような感じがしました。