つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年12月の読書感想文⑬ 両手にトカレフ ブレイディみかこ:著 ポプラ社

ブレイディさんの文章は他の作家さんではなかなか見ることがないものがあり、「ぼくはイエローで~」以来、好んで読んでいます。こちらは平積みされていたときに見かけ、即買いしました。

 

 

両手にトカレフ ブレイディみかこ:著 ポプラ社 個人蔵

 

 

文句なしの面白さ(と言っていいのか)です。

 

主人公は14歳。言うなれば貧しい環境で育っています。

そんな主人公の居場所は図書館で、そこを拠点とした物語の拡がりがはじまります。

それは主人公の変化と成長。ブレイクスルーのようなもの。

学校の中と外ではそれぞれ世界が違うと感じていた主人公は、ひとつのきっかけがはじまりでラップのリリックを書いていきます。

 

 

ここで注目していたのは「カネコフミコ」の自伝。

まさかこの物語に日本が関わってくると思わなかったからです。

 

調べてみると、「何が私をこうさせたか 獄中手記」という本がヒットしました。

今の時代においても、昔の本から何かしら得るものがあるようです。

 

今の時代は昔と変わらず生きづらいものなのかもしれません。

生きづらさは日々、その姿を変えています。

ですが生きづらさの根幹は、不変であるように思います。

その生きづらさを破壊するのではなく、中和または浄化するような出来事が、その人の人生には必ずある気がしています。それをどうか、見逃して欲しくないと思います。