つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年4月の読書感想文③ 思いがけず利他 中島岳志:著 ミシマ社

中島さんの名前をみて「どこかで見た名前だな」と思っていたのですが、北海道大学に籍を置いていた時期があったようです。その時の著書を読んでいたため、記憶に残っていました。

 

 

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思いがけず利他 中島岳志:著 ミシマ社 個人蔵

ミシマ社創業15周年記念企画

 

 

利他、という語句を一時期よく目にしていたので、読んでみようと思っていた作品です。利他とはというところから始まり、現代における利他は果たして正当な利他なのか等、深く考えさせられる内容となっています。

 

〇〇のために〇〇をやっているんだ、という主張は数多くあります。

しかしそれをまるっと利他でくくることが出来ないのが今日の現状です。

記述もありますが、現在の利他はどこかに「利己」を隠し持っている、という危うさがあります。「最終的な自分への利益のために」、今は利他を行うという姿勢と行動があるようで、その背景を探るとやはりなんでもかんでもビジネスにしてしまったことが要因だろうと考えています。

 

しかし本来意味するところの利他を行っていたとしても、受け手の問題もあります。

よって、利他がすべての人に通じるというわけではないようです。多様もよろしくないでしょう。本来であれば、その人を立てる立場でいなければなりません。

 

 

中島さんが書かれた「利他」に関する本は他に数冊ありますので、そちらも目を通してみようと思います。そして、自分でできる範囲の利他を考えていこうと思います。