文月さんの第3詩集となります。
わたしたちの猫 文月悠光:著 ナナロク社 個人蔵
「恋にまつわる」26篇の詩が収められています。
そして帯にある
「恋は すべて どこまでも 片思いだ。」ということばが刺さります。
恋はまちがいなく、誰もが経験する人生上の出来事だと思います。
そのため共感度も高く、その一文を追うごとに自身の経験を召喚「できている」のではないかと願ってしまいます。
恋はカセットテープであり、卒業文集でもあります。
人によっては、外付けのHDDかもしれません。
いつまでもありそうで、ある日突然閲覧が不可能になることもあります。
文月さんが描く恋の軌道は、かつてあった自分の恋を身体の中から蘇らせるのです。
文月さんの作品は他にもエッセイがありますので、機会があればそちらも手に取ってみようと思います。