つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年3月の読書感想文① アルテーミスの采配 真梨幸子(まりゆきこ):著 幻冬舎

しびれた。面白かった。なかなかこういう作品と巡り合うことはないのです。

 

アルテーミスの采配 真梨幸子(まりゆきこ):著 幻冬舎 個人蔵

 

 

結構前に読んだ本でしたが、AV女優が連続で不審死を遂げる事件が起こり、この真相を突き止めようとする作品。だと思っていたのです。最後のほうまでは。

 

読者が言うのも何ですが、とてもよくできた構成だと思います。クライマックスに向けて、その設定の真の姿が次々に現れ、「今までの展開はなんだったんだ!」と多少ながらも思わせてくれ、いい意味での裏切りに合います。結構緻密に作られた作品だと感じますが、このサイズでは物足りない!と読後に感じました。調べてないけど、続編ないのかなと思わせるほどです。それくらいの、衝撃的な終わり方を迎えています。

 

 

どうしても小説を読むと、ある程度の着地を暗黙の了解で求めている・提供しているように感じます。その中で、ちょっとそこから外れた着地を試みる作家さんもいらっしゃいますが、そこはどうしても見せ方、表現の仕方等に大きな差が出てくるのではと思います。

 

ここでは作品の詳細に触れませんが(どこかにネタバレしているサイトはあるだろうが)、実際に読み進めてもらい、2時間ドラマにあるようなドキドキ・ざわざわ感を味わってほしいです。この方の作品ははじめて読みましたが、質の高い作品だと感じました。