つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年3月の読書感想文② ギブ・ミー・ア・チャンス 荻原浩:著 文春文庫

久々の荻原小説です。

最初に読んだのは「神様からひと言」でした。

 

ギブ・ミー・ア・チャンス 荻原浩:著 文春文庫 個人蔵

 

短篇集となります。

何者かになろうと挑み続ける、不器用で諦めの悪い人たちのお話とのこと。

恐らくこういう人たちは意外と結構いる印象があります。

つまりは「歯車が嚙み合うまでどれくらいの時間がかかるか」という印象で、それはもう自分で足掻いてもらうしかないという気持ちでいました。いやかつての自分もそういった側面はあったのだと思います。

 

作中では、

探偵

歌手

漫画家(アシスタントを含む)

キャビンアテンダント(飛行機⇒列車)

役所職員

作家

キャンペーンガール

お笑い芸人

という職業が関わってきます。手の届くところにありそうなものもあれば、遠く感じる職業もあります。そこと現実との距離が如実に描かれていて、そこで地道に歩を進める人たちの物語となっています。読後に愛着が沸くのではと思います。

 

 

さいころは何かとこの仕事をやりたい、という夢があったと思うのですが、果たして幼少の頃の自分は何になりたかったのか、てんで思い出すことが出来ません。高校生の時には教師になろうと歩み始めましたが、教員採用試験のハードルが高くて諦め、会社員として歩むことにしました。そこから紆余曲折を経て、現在は少し変わった仕事に就いています。

 

夢は叶えることが出来なかったとしても、夢の要素は残り続けるのではと感じています。熱い思いの欠片があれば、それは今の仕事にも何らかの影響を与えるのではないかと信じてしまうのです。