つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年5月の読書感想文⑦ あとを継ぐひと 田中兆子:著 光文社

「あとを継ぐ」というフレーズが気になりまして、読んでみました。.

 

 

あとを継ぐひと 田中兆子:著 光文社 個人蔵

 

あとを継ぐということに焦点を当てた短篇集になります。全6編。

 

後を継ぐ、という流れは、親から子へというのが一般的に思います。

昨今では畑違いの人間がその魅力と重要性を認知し、業界に入って後を継ぐケースもあります。

 

こちらの作品は「仕事を継ぐ」ことの外に「家族の物語」も含まれています。詳細を言えば「親子の物語」です。そこでぶつかっていく感情や、慮る姿勢等、普段は見えていないものが文字として可視化されており、自分が同じような立場だったらどう思うだろうと考えていました。こういった物語の流れ上、親(社長)に反発するというシーンが出てくることもありますが、それを含めて「会話」であることを忘れてはいけません。親子としても、社長と後継ぎとしても、そこに交わされる言葉と時間はとても貴重なものです。その儀式のようなものを経て、事業継承はされていくのかなと感じました。

 

ぼく個人としては「親子三代」がよかったです(現在の状況の関係で)。