つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年師走の読書感想文⑪ 持続可能な魂の利用 松田青子:著 中央公論新社

レジスタンス小説ということで、自分でもどこかで革命を求めていましたので買い求めました。

 

 

持続可能な魂の利用 松田青子:著 中央公論新社 個人蔵

 

 

帯の通り、冒頭の流れで「おじさん」がその舞台から消えてしまいます。

おじさん=マイナスの象徴としていくことで、女性が大きく物事を動かしていく、または変えていくのだというとても大きなうねりや蠢きを感じました。

 

正直、冒頭の「おじさんがいなくなった」だけでは、コメディに思えるし、この作品自体もそう重くなくサクサク読めるのではと思っていたが、完全なちゃぶ台返しでした。

 

現代でもおじさん(おじいさん?)はどこかマイナスの印象であり象徴です。つい最近も「先生」と呼ばれるおじさんがこの上ない不祥事をしていたことを認めたばかりです。こうなるともうおじさんは慣例であり、風習で文化です。これをぶっ壊したらどうなるのかはわかりませんが、ぶっ壊したくなってくるというふつふつとした怒りが生まれています。

 

個人としては読みにくさを感じた作品ではあったものの、コンセプトは壮大でした。

この作品のようにおじさんが見えなくなってしまったら、日本は良くなるのかなと考えてしまいました。