「何年かかっても。」 ~3年のうちの2年目が終わります~
あと数時間で2017年(平成29年)が幕を閉じます。
年齢も影響しているかもしれませんが、1年という時間が短く感じました。
家人とも今年の労をねぎらいましたが、すべてではないものの、さまざまな場所、いろんなひとからかけられたことばが甦ってきます。それは直に話していただいたものから、ネット上に書き込まれる(打ち込まれる)ものまで、様々です。今年1年は出逢った人の数が少ないのではという考えでいたのですが、カリンパニでの瞑想合宿や、江別市に出稼ぎに行っていたことを考慮しますと、そこそこの人数との係わりがあったことを思い出しました。
いっぽう、個人事業主としての自分の仕事とはいいますと、思うように進まず、停滞しているのではと思うほど。何がいけないのか、何が足りないのかというのを日々考えています。商材がそもそも人を呼べないのか、いや、そもそも自分に力がないのではなど、いくら考えてもきりがなく、底なし沼にはまるかのような感覚に陥りました。
いっぽうで、将来の生活を考え、札幌市から他の地域へ移住することを本気で考えはじめ、現在も情報収集等を行っています。この先にあるのは「一生できる仕事」を、「心身に好影響を与える環境」で確立させたいというものからでした。
がらくた整理に出逢ったときも、「一生続ける仕事にしていきたい」と本気で思い、当時の師である竹内清文に師事しました。これに自然体験活動(アウトドア活動)とオラクルカードのリーディングの3つを柱にして、仕事を展開していこうと考えました。
立ち止まりながら、牛歩のように進みながら、手足を動かし、ときには頭ばかり働かせながら、この1年を過ごしていたように思います。
結果としてこの1年は、仕事よりも己を磨くことに重きを置いた時間になりました。
まだまだ、足りないものはあります。しかし、それをいつまでも追い求めているわけにはいきません。バランスよくとはよく言った言葉ではありますが、どこかひとつを伸ばしたなら、もういっぽうを引き上げるように伸ばしていかなくてはなりません。いまはこの繰り返しだと思うようになりました。
商売のセンスは、ほかの商売人から比べますと「ない」かもしれません。
しかし、自分でやる以上はと決めました。どのような経営状況になりましても、続けていきたいと決意しています。
個人的に好きな小説作品に、三浦しをんさんの「舟を編む」があります。
この作品は小説の他に実写で映画化され、その後アニメーション化もされました。
先日やっとアニメーションを見終わったのですが、アニメ第1話の最初のセリフが
「何年かかっても」
という言葉だったと記憶しています。
作品の説明を少ししますと、辞書作りに携わるひとたちを描いた作品です。
辞書作りは、それにかける時間が他のジャンルとはくらべものにならないほど長期間です。作中でも描かれていましたが、景気に左右される面もあり、会社が辞書の制作を止めるのではないかといった局面も出てきます。
そしてご時世とでもいうべきか、辞書の重要性が薄まっているようにも感じる中、辞書の編纂がどれほど重要か、ことばとその意味を確認することがどれほど大切かということが、この作品を通して伝わってきます。
自分になぞらえるのもなんですが、「何年かかっても」というセリフは、当時も今も、凄く響いています。一度やるときめたものは、すぐに結果が出るとは限りません。短期で結果が出ない場合、最低の評価が下りることが多い昨今ですが、人生という時間のなかでは、じっくり時間をかけてひとつの作品を「完成」させていくことも大事だと捉えています。果たしてこの人生だけで完成するかどうかはわかりませんが、集大成だと誇ることができるためにも、「何年もかけて」積み上げていき、完成に近づけていくことは大切です。自分自身の手に備わっている技術が今後どうなっていくか、どうしていくかは、やはり自分自身の責任如何になります。
「何年かかっても」。
この言葉に続けたいセリフは、幾つもあります。
それはひょっとすると、欲張りなことなのかもしれません。
「それでも」。
実現させたいことが、いま与えられた時間の中であるということ。
それ自体が、幸運なことなのだと思います。
良いことも、悪いこともありました。
人との出逢いも、一瞬のことのようにしか大切に出来ませんでした。
関わった人の中には、大きく活躍されているかたもいらっしゃいます。
正直、それが羨ましく感じます。
友達がゲーム機を買ってもらい、「いいなぁー」と言っているようなものです。
じゃあ、自分はそれを手にしたいのか?
手にするためには、どうすればいいのか?
誰かから与えてもらうのではなく、自分でどうしていくかをより真剣に考えなくてはなりません。
点描画アーティストである秋山さんと語った中で、「3年」というキーワードがありました。今年でそのうちの2年が過ぎようとしています。残り1年で何が出来るだろうかという思いもある中、その時間の中で都度新しいことがスタートしています。忘れていくこともあれば、新たに想いを抱くこともあります。その繰り返しの中で、いつのまにかここまで来ることが出来ていたと実感ができるよう、明日からまた気持ちを新たに進んでいきたいと思います。
今年1年、弊ブログをお読みいただきまことにありがとうございました。
新しい1年が明日から始まりますが、より一層伝えること、そして届けることを意識し、ブログを更新して参ります。
どうか読者のみなさまも、良い年越し、そして良い新年をお迎えください。
来年も変わらず、好きな珈琲は淹れていきます。
きょうまでに読んだ本
読むだけで人生が変わるたった一つの方法 リーマンさん 経済界 (387)
BRUTUS 2018年1/1 1/15合併号 危険な読書 マガジンハウス (388)