つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。

【詩】緑は世界を

よく見渡してみると

周りは木々や草に囲まれていた

花の鮮やかさよりも

一色の深さのほうが勝っていた

 

よく見渡してみると

季節を象徴する色も垣間見えるのだが

闇ではない深さを持ち

光りとも違う眩さを備えている

ひとつの色の神々しさが

ただただそこに在り続けていた

 

普段いる球体上では

液体が大部分を占めているそうなのだが

それと同じく

陸地と呼ばれるところには真逆と言っていいものが

ひとつの世界を形成し続けている

何の感銘も受けない色であるかもしれないが

ひとつひとつその色合いは変わっていることを知ったとき

世界に感じる感覚がまるきり変わるだろう

 

 

もう見飽きたかもしれないが

実は刻一刻と変わっている

見慣れた緑は世界を包み続けている

それは大いなる慈悲であるかのように

そして我々を試すかのように

ただ黙って

鮮やかな彩りを香らせている