朝から晩まで風が吹いている
風の音が ついには雪を運んできた
少しながらでも晴れていた空が一気に曇っていった
明るさを失くした世界は 無ともいえる白に包まれていく
それをもたらした風は ただただ強かった
風は隙間から入ってくる
看板を叩き
ガラス戸をドラミングし
換気扇のフタを打ち鳴らす
建物の熱気を奪い
わたしたちのやる気を失くす
そんな中でも
外に出なくてはならず
身体を白に同化させながら
風の強さに抗っている
その風は上から目線でわたしを押さえつける
しかしわたしは無価値ではない
そう思っていて実は勘違いしている人の多くは
自分の正しさのみを前面に出して他人に一切頭を下げることなくのうのうと生きている
絶対的な位置にいると勘違いしているこそ為せるのだから怖い
だから
風が止んだ時のことを待っていればいい