つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

【詩】忘れたくはない

あなたはもう目の前の人しか見ていなくて

 

過去の終わった人のことなんかはもう忘れてしまっているだろうけれど

 

わたしは今もまだあなたのことを憶えている

 

さすがにそれはもう昨日のことのようにとは思わなくなったし

 

あなたの顔の細部までは忘れてしまったけれど

 

自分には魔法でもかけられているんじゃないかと思えるほどに

 

決まった周期であなたが出てくる

 

それは忘れられないのかそれとも忘れたくないのかは

 

正直自分でもわからない

 

 

 

でも何かの拍子に思い出してしまうんだ

 

心が揺り動かされて

 

鳥肌が立って

 

ああこの気持ちはちゃんと届けられなかったけどほんものだったんだなって

 

今のあなたにとっては不快でしかないけれど

 

過去を生きていると言われてしまいがちだけれど

 

わたしは今をしっかりと踏みしめて生きているからこそ

 

しっかりと後ろを振り返ることができるんです

 

決して逃げてはいない

 

だから忘れたくはないのです

 

 

 

人は終わったことに対しては次々と消去をしていくけれど

 

わたしはずっと保存し続けるでしょう

 

それがわたしの生きる意味であって

 

それがわたしの生きる目的でもあって

 

後悔しながら生きることも恐らく目的であって

 

ずっとこんな文章を書いていくのでしょう

 

 

鳥の声が聴こえても聴こえなくなっても

 

雨音が強くなっても

 

風の音が右から左へ抜けるようになっても

 

自分のうえにボールを投げるようにして

 

わたしは延々と忘れられない想いを綴るでしょう

 

 

 

それを笑ってもいいけれど気をつけてね

 

あなたもいつかは過去になる

 

わたしは今も力はないからあなたの過去を今に引っ張ってくることは出来ないから

 

どうかあなたはその場所かまたはどこかで頑張って

 

わたしはもう届けることはできないしもう届くこともない想いを

 

忘れたくないという祝詞とともに奏上していくから

 

いまだけじゃなく

 

わたしは時間すべてとともに