つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

もはや秋の夜長に。

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昨夜の出来事ですが、夜10時30分頃に初産牛のお産がはじまりました。

(写真は明かりを点けた牛舎内を撮影したもの)

 

 兆候は前日からあり、夕方には破水するのではと思っていたのですが、どうやら動物たちは夜から未明にかけてお産をするのがデフォルトなようで。

 

お産が無事に終わったのは、日にちをまたいだ未明になりました。

 

 

これまでうそのように暑苦しい日々が続いていたのですが、これまたうそのような肌寒さに切り替わりました。明日からまた気温が25度を超す予報が出ていますが、こう寒暖の差が激しすぎるのは堪えます。これは人間のみならず、牛も同じです。牛の世界にとっても、人間の世界にとっても、穏やかな日が訪れないかなと、思いを馳せてしまいました。

 

何度見てもですが、出産の現場に立ち会いますと、感動します。

感動の隣には、畏れ多さが必ずいます。

いのちの現場はには、きれいごとは通用しません。

一種独特の異空間だと感じています。

 

人間の世界では、まだある程度の医療技術があるので出産件数もそれなりに多くなりましたが、動物の世界における出産は未だに命懸けです。中には人間の介助なしには母子ともに危険に陥るケースもあります。賭けどころではなく、ほんとうに命をかけた大仕事なのです。

 

そんな命懸けで産んだ我が子なのですから、溺愛するわけですよ。

そして、我が子を守ろうとする牛こそ、手に負えないです。

 

悲しいことに、人間の世界では上記とは大きく異なるようです。

命の尊さを伝える人がどれだけいても、弄ぶ人は減らない。

そこまで、いのちの価値は下がったのでしょうか?

そもそも、お金に換えられないから無価値、なのでしょうか?

 

新型コロナウイルスの影響も強くあり、根幹が揺らいでいると思っています。

ただ、いま自分にできることは、この牛たちが健やかに育つよう、最大限の手助けをするのみです。

 

 

秋の夜長。

静かな暗闇から聞こえてきたのは、いのちの叫びでした。