つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

【詩】匂いがする

午後から雨が降ってきた

しかし用事があって小ぶりのなか外へ出た

あれ 雨ってこんな匂いがしたんだっけ

1年ぶりの再会のように感じた

 

晴れの日の匂い

曇りの日の匂い

雪の日の匂い

雷の日の匂い

強風の日の匂い

 

実はこの世界は匂いが充満している

それが当たり前すぎで気づいていないだけなのかもしれない

 

 

この町の海側は潮の匂いがして

山側では酪農の匂いがする

道路では排気ガスの匂いがして

飲食店の近くではおいしそうな食べ物の匂いがする

 

近くを散歩している犬の匂い

もちろん鹿や狐や牛だって匂いがする

ちょっと怖いけど熊さんだって

そして小さなねずみだって

もちろんぼくたち人間も

 

 

生活空間にももちろん匂いはある

 

そしていつも一緒にいるあの人にも

 

かつて一緒だったあの人にも

 

思い出のようの匂いは香る

 

それがわたしを忘れさせずにいる