この一票 信じてあなたに投じるの 反故したら返してくれるのでしょうか
山に雪 下に紅葉 蒼さも残る わたしはいまを生きている
安定を 崩そうとするのは外からで 知っていればなんてことないと思えれば
点火する 埃と燃料が送られる 冬支度はそうして始まる
宣言が解除になったとしても
元通りになるわけではない
失ってしまったものは戻ることがなく
それを受け容れていくしかない
遠ざかってしまった距離
遠ざかってしまった存在
遠ざかってしまった声
そしていつしか離れてしまった現実
知らない事実に打ちひしがれ
己の無能さ加減に腹を立て
500mlの缶ビールを数本立て続けに飲んでしまう
お酒を飲めない人にはわからないだろうけど
そうやって自暴自棄になる方法がある
あなたは冷めた声で現実を言うけれど
情熱を奪われた側のほうが実はもっと冷めている
その恐ろしさを知らないだけ
元通りになればと願うのは簡単だけれど
この世界の仕組み上どうしても動いていかなくては
概念でサクッと動くものは一切なく
積み重ねてようやくその重みを知ることが出来る
それがわからないからこそ
人は何かを持っている人のところを渡り歩く
そこに幸せが待っていると信じている
秋風が吹く草地に立つ
雲が早く流れていく
そうして月日が流れていく
戻らないものの変わりをまたつくっていく