つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年2月の読書感想文⑧ 親愛なるあなたへ カンザキイオリ:著 河出書房新社

図書館で、装丁に惚れて借りました。惚れて正解でした。

 

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親愛なるあなたへ カンザキイオリ:著 河出書房新社 八雲町立図書館蔵

 

帯に「私はあなたの爆弾になる」という物々しい一文がありましたので、気になってしまいました。

 

 

主人公は2人おります。

ひとりは若くして作家先生となった男の子。

もうひとりは不憫な境遇で暮らす女の子です。

 

時間軸は中学卒業から高校の卒業まで、そして後日談のような少しの描写があります。

 

主人公の男の子と女の子は、同じ学校に通います。

男の子は、もう小説は書かない、と、決めてしまいます。

女の子は、男の子が発表した作品に感動し、ファンレターを出します。

しかし、その作家が同じ学校にいることは知りません。

 

当初、この物語はどのように進んでいくんだろうと思っていました。

あなたの作品に救われました、という言葉から、勝手にハートフル・ウォーミングな展開を予想していたのですが、それぞれに急展開が訪れます。

 

そこから先ですが、自分の周りしか見えていなかった世界が急に開ける感覚を持ちます。

それが果たして良いことだったのかどうか、この二人をかわいそうに思えてしまいました。

 

急激に広がっていく世界。そして開かれる時間。

読み進めていくとともに知らされる事実に、ただただ驚愕しました。

読み終えて、不思議な興奮が後に残りました。

 

 

著者はボカロPとして活動を開始され、このほど小説を執筆されました。

才能は次なる才能を呼ぶ。または生む。羨ましいなと純粋に思いました。