とても分厚く、文章が上下二段に分かれています。
現代にも、そして未来にもつながっていくような、深い小説でした。
日本が舞台のようですが、東北地方にある「リアス・エリア」が舞台。
そこで進められているのが「原子力発電所」の誘致でした。
しかし、この国を大災害が襲います。
そんな中で、幾つかの伏線も動いていきます。
結構スケールが大きいなかで、人間の性のような汚い部分も露出しています。
未来の日本にもありえる設定と感じますが、同時に旧習が色濃く残っています。
そこで求められる真実と可能性と未来は、この国にとって利益をもたらすのか、それとも。
この小説は経済小説でありながら、SFを含んだようなかたちになっていると思います。
現代はSFというよりもオカルト寄りになってきている感覚がありますが、この先はどのような光景が待っているでしょうか。
原発は現在進行形でとても大きな課題になっています。
そして、原発以外にも大きな課題は次々と現れています。
ぼくの生きている間にそれらは恐らく解決する兆しは顕れないのではと危惧します。
ただ、希望は持ちたいです。
年齢を重ねていくと、現実問題に近い題材を扱う小説を読むようになりました。
読むことも、書くことも単純に好きな人間です。続けていければと思います。