つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年7月の読書感想文⑤ お咒い(おまじない)日和 加門七海:著 角川文庫

お咒いイコール、現代はいろいろな捉え方があるなと思い、買い求めてみました。

これは現代に蔓延した、にわかスピリチュアルへの小さな釘になっていると思います。

 

 

お咒い(おまじない)日和 加門七海:著 角川文庫 個人蔵

 

著者である加門七海(かもんななみ)さんはオカルト・民俗などに造詣が深いようで、怪談系の著書も多数出版されています。

 

ja.wikipedia.org

 

そのような方が「お咒い」を集中的に取り上げて考察した一冊で、民俗学にも深くかかわってきます。その昔はマンガで「孔雀王」、アニメで「シュラト(たしか天空戦記)」といった「宗教的=スピリチュアル要素を含んだもの」が扱われるようになり、一般人向けの入門書なども発行されるようになり、かなり身近になったものと感じています。

 

本書は「お咒いとはなにか」から始まり、その歴史と解釈、範疇を深く考察した一冊になります。ここで警鐘を鳴らしますが、「現代のスピリチュアル」とは明確に一線を画すもので、おそらく現代のスピリチュアリスト(多くの自称を含む)は、こういったことに関しては無知であるのではないかと思います。もしくは、「それは古い」と切り捨てたり。またはそこから自己解釈を加えて勝手に新たなものを作り出したり。

 

明確に言えることは、これは「個人の願いを叶えるための解説書」ではないということ。

なんでも自分の利益につなげようとする動きとはまったく違います。

 

非現実的なものであっても、背景を探ることでより造詣が深くなります。

そのお咒いをすることで実際にどうなるかはわかりませんが、何も知らずに行うのと、バックボーンがわかっていてやるのとでは、天地ほどの差が出ます。

そのため、安易にやるべきではないと警告する一方で、習慣づけていく必要性も感じます。その時だけというのが、一番危険な印象です。

 

ブログ主もオカルト好きで、若かりし頃は九字を切っていたこともあります。

また、にわかにスピのセンスも持っていたため、そういった方面を極めようと考えたこともあります。

 

しかし実際は、普通の生活が最高の「鍛錬」になっています。

お咒いに頼る場面も出てきますが、それをメインにしてはならず、基本や資本は自分の身体にしておく必要があります。それがあってこそのお咒いなのだと感じています。

 

風習でもあり、伝統でもある「お咒い」。

今住んでいる場所や故郷にも、ひとつやふたつはあると思います。

そういった側面から、故郷を思うこともいいのではないかと思いました。