つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年1月の読書感想文③ 店長がバカすぎて 早見和真:著 ハルキ文庫

文句なしに面白かった本です。店長のバカさ加減と、その下で奮闘する書店員さんの物語です。

 

店長がバカすぎて 早見和真:著 ハルキ文庫 個人蔵

 

 

 

舞台は書店で、店長は頼りない。

その下で働く書店員は、翻弄される。

 

書店を舞台とした作品はこれまでにもあって、個人としては「書店ガール」が記憶にあります。お話の分野は違った気がしますが、ともに唯一無二の面白さがあります。

 

まず本書は、徹底的に店長が「無能(失礼)」に描かれていることです。

その店長の元で働くのですから、書店員さんは必死です。その必死さも伝わります。

本が好きだからという理由で働いている書店員も、毎日これでは精神が擦り切れます。

それは他の職場でも同じことだと思います。もっと一般職員のことを考えて(見て)もらいたいですね。

 

本書は6話構成ですが、長編にも見えてきます。書店という舞台がそのように観させるのだと思います。サスペンス等ではないのにハラハラドキドキさせられる展開は、読んでいて充実感を憶えましたし、書店に行った際にはそこに並べられている本だけでなく、書店員さんもウォッチ(失礼ながら)してみたいなと感じた作品です。本書は続編もありますので、機会があれば読みたいと思います。