つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年1月の読書感想文⑤ 東京ロンダリング 原田ひ香:著 集英社文庫

裏表紙を見て、面白そうだなと感じて買った本です。

原田さんの本はこれがはじめてになります。

 

東京ロンダリング 原田ひ香:著 集英社文庫 個人蔵

 

 

帯にもあるとおり、職業は「賃貸物件の浄化」とあります。

なんじゃそりゃ?と、ここで興味を惹かれます。

裏表紙の説明を読んで少し納得。そのままレジへ向かいました。

 

本書の主人公は女性で、職業は事故物件に指定期間滞在(生活)し、表記上の「事故物件」をなくしていくというもの。わけあって独り身であったことと、住む家がなかったことから、この職業に落ち着いているようです。そしてまた、この仕事における評判がいい(どういうことだ)というのだから、これまた不思議です。

 

人付き合いを煩わしく感じている主人公ですが、それでも最低限の、時にはそれ以上の人付き合いが発生します。そこに抵抗を感じることもあったようですが、その人間関係が彼女をまた前向きにさせていきます。

 

まず、実際にありそうだなという職業設定に何というか、唸りました。

事故物件ということは、いろいろなことを考えます。それが女性に務まるのかという疑問もあります。しかしそこは何とかなるのかもしれません。女性であれば女性の、男性であれば男性のニーズがあるのだろうと思います。ぼくはこの仕事が務まる気がしません。

 

ロンダリングは「浄化」を意味するようです。

わたしたちも何かしらの「浄化」を求めるものを抱えています。

大きな特徴として、その浄化は「自分が動いて」はじめて得られるものになっています。

 

だからこそ、「再生」が活きてくるのではないかと思います。