つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年3月の読書感想文⑫ 孔子 井上靖:著 新潮社

井上靖さんといえばコレ、というくらいの作品だと個人的に捉えています。

今後も井上さんの作品には触れていきたいと思います。

 

 

孔子 井上靖:著 新潮社 個人蔵

 

 

孔子の弟子による、師匠孔子に対する問答等を綴った作品だと思います。

特に抑揚もなく淡々と進むため、物語としてのクライマックスはありません。

そのぶん物語としての面白味に欠ける印象が残りましたが、哲学書といった視野で見ていくと、様々な発見の芽が出てきます。

 

偉人の何たるかを知ることは、とても大切です。

本書のみですべてを知ることは難しいですが、かつていた大作家によるいち個人の追求は、目を離すことはできないと思います。

 

昨今では孔子のような、たくさんの人が知っている人を対象にしたものではなく、蔭に隠れた人たちにもスポットが当てられ、その人とはどんな人だったのかという探求が勧められています。

 

人を通して学問を知るのは良いことだと思います。

人を通してこそ、人は成長できるのではと感じるようになりました。