井上靖さんといえばコレ、というくらいの作品だと個人的に捉えています。
今後も井上さんの作品には触れていきたいと思います。
孔子の弟子による、師匠孔子に対する問答等を綴った作品だと思います。
特に抑揚もなく淡々と進むため、物語としてのクライマックスはありません。
そのぶん物語としての面白味に欠ける印象が残りましたが、哲学書といった視野で見ていくと、様々な発見の芽が出てきます。
偉人の何たるかを知ることは、とても大切です。
本書のみですべてを知ることは難しいですが、かつていた大作家によるいち個人の追求は、目を離すことはできないと思います。
昨今では孔子のような、たくさんの人が知っている人を対象にしたものではなく、蔭に隠れた人たちにもスポットが当てられ、その人とはどんな人だったのかという探求が勧められています。
人を通して学問を知るのは良いことだと思います。
人を通してこそ、人は成長できるのではと感じるようになりました。