ノンフィクション作家の第一人者、佐々涼子さんの新刊が出ました。
ボーダー 移民と難民 佐々涼子:著 集英社インターナショナル 個人蔵
佐々さんの作品で代表作と言えば、ドラマにもなった「エンジェルフライト」。
その後もタイムリーなテーマを題材にして、本を執筆されています。
さて本作は「移民と難民」がテーマ。
このテーマをから、ある事件を連想される読者も少なくないと思います。
本書は日本の移民・難民事情と、それにかかわる人たちを取材したものになります。
とにかく、読んでいて重さを感じますし、やりきれなさ、憤りのようなものも覚えました。
その背景には、やはり法制が現代に追いついていないのではという疑問があります。
だからこそ、国際事情としてなかなか理解に苦しむ事象が発生するのではと思うのです。
報道でも流れていましたが、日本は難民申請が通る確率はひどく低いそうです。
現在においても、難民申請をする多くの外国人はいます。いろんな事情があり、いろんな背景がありますが、本書からその一端に触れると、一筋縄ではいかないものが見えてきます。移民や難民の問題は、国際問題に限らず、社会問題にまで及んでいます。そして既に、様々な分野への問題に波及していることでしょう。とにかくこのままでは、という気持ちしか出てこないのが恥ずかしいですが、どうにかこの状況が、少しでも改善されればと思うばかりです。