つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年6月の読書感想文⑭ 航空自衛隊副官 怜於奈 数多久遠(あまたくおん):著 ハルキ文庫

ある日ブックオフ店舗の本棚を端から端まで見ていましたら、自衛隊小説を見つけました。

 

 

航空自衛隊副官 怜於奈 数多久遠(あまたくおん):著 ハルキ文庫 個人蔵

 

著者の数多さんは自衛隊出身であり、かつ副官の経験者。

自衛隊の小説といえば「砂川文次」さんを思い浮かべますが、こちらはまた違ったテイストの小説となりました。

 

 

maruyamabase.hatenablog.jp

 

本作は女性自衛官の斑尾怜於奈(まだらおれおな)が副官に昇格(昇任)するところから始まります。そのいきさつにも注目。

 

そして本作、いわゆる外国との一食触発の場面ではなく、本当に見えないところの、自衛隊の任務について描かれており、それが自衛隊という特殊な組織であるだけに、ひどく理解できそうな内容でした。副官というのはそれこそサポート役であり、手回し役になりますので、各所との調整がいかに大変か、どことなく想像はつきます。副官のお仕事紹介小説のように感じますが、自衛隊小説であることを忘れてはなりません。

 

本書を読む限り、自衛隊という存在を「よく思わないひとたち」に対する配慮も尋常ではないと推察します。議論は様々あるでしょうが、目の前の脅威がある以上、今すぐ自衛隊をまっさらにすることは考えられません。確証のない議論が先行している印象が強いですが、共通の願いとしては、いわゆる武器類を携行しない組織に「発展」してくれればと願うばかりです。

 

なお本作はシリーズ化しており、この時点で3作目までを確認しています。