つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年繫忙期の読書感想文⑱ 無垢の歌 ウィリアム・ブレイク:著 池澤春奈・池澤夏樹:訳 毎日新聞出版

ウィリアム・ブレイクという名前に聞き覚えがありましたので、買い求めました。

訳は池澤父娘による共訳となります。

 

 

無垢の歌 ウィリアム・ブレイク:著 池澤春奈・池澤夏樹:訳 毎日新聞出版

個人蔵

 

ウィリアム・ブレイクはイギリスの詩人で、1700年後半から1800年中盤近くまで生きた方になります。本作は無垢の歌と経験の歌を訳詩で収録。共訳ということですが、無垢の歌を池澤春奈が訳、池澤夏樹が解説し、経験の歌は池澤夏樹が訳、池澤春奈が解説しています。

 

時代背景より、神の存在を身近に感じさせるものが多くあります。これはスピリチュアルでもなんでもなく、現代よりも純粋な信仰心から来るものと考えます。その信仰心は生活にも反映されており、うさん臭さを感じさせない、信仰することの爽やかさが表現されています。

 

この詩を見ると思うのは、信仰心は本来これくらいの「軽さ」であるべきではないか、ということです。昨今の信仰は何より「重い」です。その重さは脅迫につながり、そして強制や抑圧につながります。それを正当な信仰として認めることはできません。今は大小の規模にかかわらず、様々な宗教(と呼ばれるもの)が存在していると言われていますが、現在の宗教は他の要因に影響されていることが多く、純粋な宗教とは言えなくなってきています。

 

もうあの頃の信仰に戻ることはできないのか。

もう、あの頃の信仰に戻ることはできないと思います。