読後に裏表紙の商品紹介を読んで、恋愛小説なんだ、と気づいた本です。
神様の暇つぶし 千早茜：著 文春文庫 個人蔵
主人公の女性は２０歳の時に親を亡くし、独り身になります。
その年の夏、父よりも年上の写真家男性と出逢います。
最終的に主人公の女性はその男性に写真を撮ってもらい、写真集を出版するのですが、そこまで過ごしてきた時間とは真逆の、この世の闇とも思える展開が待っていました。その男性が既婚者であったことは物語の最後のほうで明らかになるのですが、なぜそのような設定をほどこしたのか、ちょっと考えるところがあります。
「時間は記憶を濾過していく」。
これは物語冒頭の一文です。
この恋物語が教えてくれる「濾過」は、神様が与えてくれたものなのかなと感じました。
