つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年9月の読書感想文⑦ 男ともだち 千早茜:著 文春文庫

ごく個人的なことではありますが、「女ともだち」というのが少ない(ほぼいない)です。特に同年代。そんなこともあって、興味があって読みました。

 

男ともだち 千早茜:著 文春文庫 個人蔵

 

主人公の女性は同棲している彼氏がいつつもその関係は冷めていて、不倫を行っていました。そんな中で大学の先輩(男性)から連絡が入り、久々に再会したことで、生活に変化が訪れるという展開です。

 

この先輩がなんとも素晴らしい立ち位置で、主人公と寝ることはありません。

そういった立ち位置からずばずばと色んなことを言ってくれる先輩が、読んでいてありがたいな、と思えます。

 

そういった状況である中でも、彼女は仕事に関しても悩みを抱えていました。年齢も年齢で、ここから踏ん張ることが出来るかどうかの瀬戸際に立っています。いろんなことをシビアに考えなくてはならないリアリティを感じつつ、相手の男の存在を気にしつつ、彼女は逞しく生きていこうとします。そういった環境での男ともだちは、すごく大きな存在だなと感じました。自分にはむずかしいかも。でも、こういった関係はすごくいいな。

 

著者のプロフィールを見ると、北海道江別市出身でした。なかなかの経歴をお持ちでいらっしゃるので、他の作品にも目を通してみようと思います。