つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年8月の読書感想文① 44歳、部長女子。 沢木まひろ:著 宝島社文庫

ラブストーリーですが、女性が年上(上司)で男性が年下(部下)という立ち位置の物語でした。

 

 

44歳、部長女子。 沢木まひろ:著 宝島社文庫 個人蔵

 

 

課長に抜擢された主人公の44歳女子。仕事面でいえば順風満帆です。

そして彼女には彼氏がおります。同じ職場の、24歳男子。

年の差カップルによる恋愛ストーリーになるとともに、「仕事か、それとも」という鉄板の選択肢について考える物語となっていて、6話構成になっています。

 

年下クンからの猛アタックで付き合うことになったようですが、彼の同期(女性)の出現や異動で再び同じ職場に戻ってきた彼女の元カレによって、少なからず心はざわつきます。そういった心情の機微をうまく描写し、仕事人として、そして男女として、人間の形成が為されていく様子を読みながらにして観ている感覚になります。

 

すべてがすべて、このような恋愛になれば万々歳なのでしょうが、そう簡単に(作品も決して簡単ではないけれど)いくものではないですね。

 

最後はハッピーエンド、前途を祝してというところで物語は幕を閉じます。

その後も読みたくなる一冊です。