つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年10月の読書感想文⑥ エンジェルメイカー ニック・ハーカウェイ:著 黒原敏行:訳 早川書房

本の雑誌が選ぶ2015年度の第1位を獲得するなど、数々のランキングで上位ランクインを果たした人気作です。

 

 

エンジェルメイカー ニック・ハーカウェイ:著 黒原敏行:訳 早川書房 個人蔵

 

 

導入が凄く好きで、時計職人の主人公が謎の機械を修理したことによって世界が大きく動き出すという拡がり方を見せています。一級品の作品であり、エンターテインメントだと思います。

 

主人公の設定ですが、大物ギャングの息子というところも大きく影響しています。

時計職人としての腕前はわかりませんが、謎の機械(実は第二次大戦後に開発された最終兵器の鍵)を修理したということは、相当だったと推察が出来ます。それを世界がずっと待っていた、というのも、背筋が凍る思いがします。

 

何かひとつの大きな仕事を成し遂げたことで、主人公は様々な人間・組織から目を付けられます。その中をどのようにかいくぐり生きていくのか。海外小説の醍醐味が味わえる展開が待っています。

 

京極さんほどの厚みはありませんが、自立可能な本となっており、十分な読み応えがあります。海外小説は苦手意識ありなのですが、引き込まれて読んだ作品です。