青春小説の代表作。続編が出ていましたので読んでみました。
「人生のダメな時期」を綴った続編。
誰にでもそんな時期はありそうだけれど、なんとなく現代はそんな時期をつくらないようにと必死に頑張っている印象を持ちます。
では「ダメな時期」は不要なのかと言われると、そんなことはないと思います。
ダメな時期は、何というか「滑り止め」になるんじゃないかと思っていて、そこから先には行かせないような抑止力を持つと思っています。世之介はなかなか煮え切らない青春時代を過ごしましたが、決して堕ちることはありませんでした。最期の時間のことにも作品では触れていますが、その時まで生きていたからこそ、ダメな時間はよい方向で影響を与えていたのだと信じたいです。
横道世之介は、現代における救いの存在なのかもしれないな、と感じます。