つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

薄利多売というまやかし。

日本農業新聞10月24日の1面記事に、価格転嫁「できず」7割という見出しが載りました。

 

何が出来ないのかと思って読んでみると、日本農業新聞集落営農組織や農業法人を対象とした景況調査において、農産物価格に生産コスト高騰分の転嫁が「まったくできていない」との回答が7割だった、というものでした。

 

 

誰も見合う価格は払いたくない

背景はつまるところ、これだと思います。

やはり安さは目玉で、客寄せになります。高いものばかりでは売れるものも売れません。そして庶民がそこまでお金を持っているかと言われれば・・・になります。

時折聴こえてくるニュースでは、仕入れの価格に対して圧力というか、大きな調整を強いる(強いられる)という話が聴こえてきます。そうしないと取引を止められるからです。真綿で首を絞める行為です。が、お得感を出さなければ誰も商品を手に取らないのだということだと思います。

 

ましてや最近は「コスパ」が叫ばれています。コスト(価格)に対してパフォーマンス(効果等)が高いかどうかが見極められています。しかしその背景には「価格に転嫁できない」実情が隠れているかもしれません。正当な価格に変更されたその日には、コスパ最低と事情も知らずに叫ばれることでしょう。

 

 

 

 

正当な価格を徐々に浸透させる戦略を

安定した生産や収入を得るためには、戦略として正当な価格を周知して浸透させることをしていかなくてはなりません。そうしなければ正しい価値をわかることなく、大事な局面において見誤ります。仮にこのまま適正価格よりも安価な価格が蔓延すれば、人は傲慢になり続けます。どこかで目を覚ます出来事が起きないと、真のコスパを意識することは永遠に訪れないでしょう。実際に安価でも良いものはあると思います。しかし背景にはたゆまぬ努力があります。「コストダウン」の一言だけで片づけらるほどかんたんなものではありません。現代人は流されていることを自覚してもらいたいです。

 

 

自分の仕事であれば、コストはこれほどかと意識させられるでしょう。

それと同じことが他の業界などでも行われていると思えば、小さな単位でもどうにかしてかないとと思うはずです。

 

経済をどう回していけばいいかはもっと巨大な組織の考えることなのでしょうか、価格を護るのは生産者です。自信と誇りが価格にしっかりと反映されるタイミングが来ることを願ってやみません。