純喫茶、というワードに惹かれて読みました。
純喫茶パオーン 椰月美智子:著 角川春樹事務所 個人蔵
主人公の「ぼく」が、いくつかの「点」で見た出来事を綴った、ちょっと不思議な作品。
こういった純喫茶は果たしてどれくらいあるだろうと思いつつ、そこに行き交う人たちの暖かさと、そこに集まる不思議さに注目してしまう作品となっています。
というのも、純喫茶という魅力が前面に出てきます。
自分も注文したいな、というメニューが目白押しです。
そして、そこを切り盛りする人たちの暖かさがあります。
そこに通う人たちの温もりがあります。
不思議な出来事は、ひょっとしたらどこでも普通にあるのかもしれません。ですがちょっと考えてみると、その場所があるからこその不思議な出来事になるわけで、つまりは相乗効果といったところでしょうか。
パオーンに限らず、純喫茶はいきものです。
その息遣いをどうか、感じて欲しいと思います。