(詩)dive into
なにかを始める前から怖がっている人がいた
なにかをする前から緊張している人がいた
その表情には血の気がなく
そのたたずまいもメドゥーサに睨まれたかのごとく石化していた
どうしてそんなに苦しんでいるのか
どうしてそんなに苦しもうとしているのか
しばらく時間が経たないと 理解することはできなかった
ぼくたちは想像力が豊かな反面
縁起でもないことをあれこれと考えてしまうことがある
おそらくはその延長線なのだろう
たとえば 明日の朝ゴミを出すのが間に合わなかったらどうしようといった具合に
明日いきなり上司にどやされたら嫌だろうなといった具合に
ただそれは
水面の表面でしか起きていないとわかったとき
大いなる発見をすることは確かだ
だからこそ 水面の中に入っていく必要がある
それは困難であったり
苦手なことだったり
心臓が破裂しそうなくらいの緊張感を抱くことだったりと
毎日の数だけいろいろあるけれど
いったん その中へ入ってしまえば なんてことない
普段のひたむきが その意味を報せてくれるだろう
だから嫌でも 辛くても苦しくても
水底に潜るようにして
源をさぐるようにして
広がりを感じることができれば上々だよ