つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和2年(2020年)2月の読書感想文② 宇宙船からの帰還[望郷者たち] 夏見正隆:著 ハルキ文庫 

宇宙モノ、2冊目です。

 

 

1冊目の購入場所は新さっぽろ駅にある紀伊国屋書店

今回は函館蔦屋書店で購入しました。

 

 

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宇宙船からの帰還[望郷者たち] 夏見正隆:著 ハルキ文庫 個人蔵

 

 物語の舞台は宇宙から始まります。

このときの地球は、とても住める状況ではないという認識でおり、宇宙環境でなんとか文明を拡大させようと躍起になっていました。

 

主人公は宇宙船の船長という職を持っていますが、事故をきっかけに停職処分を受けます。そのさなかに舞い込んできたのが、「地球環境調査」というものでした。

 

 

サバイバルSFとの書き出しはあるのですが、読み終わった後に感じたことは、この作品は「ラブストーリー」なんじゃないか、と思ってしまいました。詳細はもちろん読んでいただきたいのですが、

 

「未練」や「後悔」そして、「恋心」など、個人の中で渦巻く様々な感情が湧き上がるさまがリアルに描かれています。

 

地球に赴くのも、物語の最後半になり、大部分は地球に赴く理由や様々な背景が描かれています。

 

 

実はこの地球環境調査、過去にも「実は」調査団が派遣されていたのですが、誰も戻ってきていないという事実が出てきます。今の地球には何があるのか?それは脅威なのかそれとも・・・?という謎が、終盤まで残り続けます。

 

サブタイトルにある「望郷」は、宇宙と地球ほどの距離が開いていなくても、実は常日頃抱いているものなんだなと感じた作品でした。