令和2年4月の読書感想文③ 出会いなおし 森絵都:著 文春文庫
おうちで休日を過ごすようにしています。
過ごし方としては、ラジオ・録画した番組の視聴・読書になります。
ラジオはラジコのタイムフリー機能を使っていますので、休みの日にまとめてエアチェックをしており、テレビ番組はずっと前に録画して視聴していないものも含め、少しずつ消化するようにしています。
読書に関しては緊急事態宣言の追加で北海道が含まれたこともあり、町の図書館は休館になっております。そのため現状は自宅でまだ読んでいない本をちびちび読んでいます。
そんな中で今回読んだ本はこちら。
出会いなおし 森絵都:著 文春文庫 個人蔵
森絵都さんの著書はいろいろ読んできましたが、短編集というのはひょっとしたらはじめて読むかもしれません。購入の理由は新刊の棚にあったこと、そして帯のコメントが大きく影響していたように思います。
「出会いなおし」という表現は、ありそうでなかったものです。
言われてなんとなくわかるけど、具体的にどんなことだろうという興味から、この本を手に取り、購入して読みました。
短篇は6つあり、そのどれもが「考えさせられる」内容でした。
自分に即した物語も含まれていれば、ああそうか、と、うなずく物語も含まれます。個人の感想として、出会いなおしということばに期待していたものは含まれていませんでしたが、この作品を読んで、この世界でもたらされる効果はきっとこうなんだろうなという漠然とした事実を見せてくれたように思います。
「なおし」という表現が入っているということは、何かが修正されるということになると思います。今でいう「アップデート」とは、少し違います。感覚としては、時計の時刻合わせのようなものです。たかだかそんなことですが、本人の意識や考えは確実に変化していきます。そこからの一歩が確実に変わる物語があるのだなと教えてくれた作品でした。
歓迎はできませんが、新型コロナの影響が強い状況が続いています。
日常が大きく変化したことで、良いこともそうでないことも多発しています。
この状況は、今回の作品のような展開をあちこちで生むと思っています。
この騒動が落ち着いた頃には、前向きなものが芽吹くように願いたいと思います。