つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年4月の読書感想文① 百年と一日 柴崎友香:著 筑摩書房

新年度4月もそこそこ忙しそうなので、のっけから読書記録です。

 

百年と一日 柴崎友香:著 筑摩書房 個人蔵

 

ショート集。作家生活20周年の作品とのこと。

33の物語が収められて、どことなく不思議な空気が流れています。

ショート集であるが故でしょうか、その不思議さが世界の何かを普通のものにしなくなっている感覚があります。これもショートのなせる業みたいなものでしょうか。

 

物語のタイトルは長めで、中・長編に触れて来た時間が長い自分としては戸惑いと新鮮さが入り混じってその文章を目で追っていました。なんでもないようなことが描かれているように思える物語でしたが、そのなんでもないようなことを描いていくのはとても難しいことだよなと感じながら読んでいました。そしてそれは、海外文学の空気を少し吸ったかのような匂いがしていました。