つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和2年8月の読書感想文③ 天国と、とてつもない暇 最果タヒ:著 小学館

何となくの感覚で恐縮なのですが、詩集はできることなら文庫ではなく、ハードカバーなどで持ちたい派です。

 

 

 

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天国と、とてつもない暇 最果タヒ:著 小学館 個人蔵

 

 最果タヒさんが詩人であることを思い出してからは、立て続けに詩集を読んでいます。

最初はやや慣れはしなかったという感触が残ったのですが、何度か読んでいるうちに、目が離せなくなりました。その余韻は他の詩人さんでは味わうことが出来なかった感覚です。

 

また最果さんの詩は行間、つまりは文字と文字の間も「詩」の旋律の一部としているような感じがあります。狭い行間、少し広めの行間という違いだけでも、詩の質(色の違いのようなもの)が出てくるのかな、と思います。

 

 

個人的な詩の醍醐味として、その詩の終わりを締めくくる一文に響きを感じます。

最果さんの詩の最後の一文は、なんとも言えない波紋を自分の中に立てます。

それをどのように解釈していいかはわかっていないのですが、それがどう消化されていったのか、このようにはいかないけれども、詩を書きたいな、という衝動、のようなものに変換されていきます。

 

 

新しい詩の世界。

 

そのトビラが、一冊の詩集にあるのだと実感しました。