つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和3年12月の読書感想文⑩ ルポ 森のようちえん おおたとしまさ:著 集英社新書

野外体験活動をしてきた身なので、時折こういった本にも目を通します。

 

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ルポ 森のようちえん SDGs時代の子育てスタイル

おおたとしまさ:著 集英社新書 個人蔵

 

森のようちえんとは、自然のなかでこどもたちを自由に遊ばせながら育てるという幼児教育・保育活動をいいます(本書より)。

 

ぼく自身としては、森のようちえんというよりかは、野外体験活動といったほうがしっくりくるのですが、どうやらこの取り組みは大きく広がっているようです。かつてはシュタイナー教育なども事例として取り上げられてきましたが、新たなムーブメントがこれになります。

 

本書はその神髄に迫り、子育てのヒントを探っています。

 

というのも、単純に自然の中で自由に~とはなかなかいきません。

何かしらの仕掛けを、考えていかなくてはならないからです。

こどもたちは、日常生活において外に散歩に出たり、近くの公園で遊んだりしていることを想定しますと、普通の遊びでは興味が削がれてしまいます。そこで興味を引くひと工夫、ふた工夫が必要になります。それを大人が単独で、またはそういった活動を行っている団体と考えて実行に移します。

 

ぼくが経験した中では、上記のように環境を設定したとしても、ただ遊んで終わりにはしていません。何かしらのお話(説明にあたる)を、こどもたちにはしっかりと伝えています。難しい話はしませんが、大事なことはどのような環境でも伝えていかなくてはならないからです。あとは時折、大人が一緒に遊び、そしてサポートをしていく、という流れになっていたと記憶しています。

 

コロナ渦の時代において、森のようちえんはどのように進化していくのかも注目していかなくてはならないと思っています。今後は教育も、どんどん様変わりしていくのかなと感じた一冊になりました。