つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年2月の読書感想文⑤ 眠れない夜は体を脱いで 彩瀬まる(あやせまる):著 徳間書店

図書館にあるコーナーの一角で、「寅年生まれ」の作家さんが紹介されていました。

 

今回借りた本の著者も、寅年生まれです。

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眠れない夜は体を脱いで 彩瀬まる(あやせまる):著 徳間書店 八雲町立図書館蔵

 

 

ひとつの掲示板を共通点とした短編・連作集。

はじめて読みましたが、最近こういう空気の作品が好きになってきたんだと感じます。

 

わたしとうまく付き合えない。

 

帯に書かれている言葉ですが、果たして現代ではどれくらい、これに当てはまらない人がいるでしょうか。個人的には、少ないのではと思っています。

「自分にうそをつく」とか「素直になれない」など、いろんな表現があると思いますし、いろんな捉え方をしているのではと思います。この作品はひとつの掲示板の存在を共通点とした、それぞれの登場人物が自分と向き合おうとするお話だと感じました。

 

印象に残っているのは第1編のお話で、「少年」と呼ばれているくだりがあります。

その関係性といいますか、そう呼ばせる導線がいいなぁと感じました。厚い本ではないので、とても読みやすいし、感情移入できるんじゃないかと思います。機会があればぜひどうぞ。