つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和4年4月の読書感想文① 羆撃ち久保俊治狩猟教書 久保俊治:著 山と渓谷社

新年度もよろしくお願いいたします。

 

新年度1冊目はコチラ。

 

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羆撃ち久保俊治狩猟教書 久保俊治:著 山と渓谷社 個人蔵

 

随分前に出版されていたのは知っていたのですが、一時品切れであったこともあり、入手が遅れました。

 

 

猟師による狩猟の教本、という立ち位置になっています。

しかし読んでいきますと、これがなかなか深く、哲学や思想の深さを感じさせます。

ここまでくると、単純な「狩り」という話ではなくなってきます。

 

実際に獲物を仕留めた写真などが掲載されており、ショッキングさを感じさせるかもしれないのですが、狩猟をするとはどういうことか、ということをしっかりと論じておられるので、それが野蛮な行為にはまったく見えません。逆に言えばこのようなしっかりとしたスタンスを持って、ひとつの仕事に打ち込む人は、中々いないといえるのではないでしょうか。

 

狩猟の技術として、足跡からどう個体を追うか、装備はどのようなものが良いか、火おこしの仕方、解体の仕方、生態系の観察など多岐に渡ります。これは狩猟をするしないにかかわらず、知っておいて損はない要素だと思います。この記事を書く前に、実は札幌市の三角山というところで調査をしていた職員が熊に襲われるというニュースが入ってきました。その後巣穴で子熊の存在を確認したそうです。どのような状況だったのかは詳細を確認する必要がありますが、これは防げた事象である(にしないといけない)と思います。完全は無理であっても、高確率で安全を保障しなければ、常に危険にさらされることにつながります。それはイコール、生活が脅かされることにつながっていくからです。山を中心として生活をしているたくさんのいきものと、人間が生活している世界をどのようにして共存させていくかは、長い議論と実践が必要です。実現のためには、少なくとも悲しい事故を少なくし、時にはゼロにしていく必要があります。そのためにも、こういった知識はいろんな人が携えておくべきだと感じます。

 

 

今年は人間を含めたいきものたちにとって、どのような1年になるでしょうか。

自然が近くにある場所に生活する住民として、しっかり考え、行動していきたいと思います。