毎年1月号の雑誌「ダ・ヴィンチ」はBOOK OF THE YEARという特集を組むのですが、紙面の端(今回は確か下側)に少数派意見というコメント欄があり、そこで目にしたのが本書になります。短い感想ですが、とても気になりました。
ごめん。 加藤元:著 集英社文庫 個人蔵
短編集ですが、主人公を中心とした、その周りの人たちの様々な「ごめん」を題材としたものです。
読み進めていて、唸りました。こんな様々な「ごめん」があったのかと。
わかっているつもりでも、実はよくわかっていなかったという事実を突きつけられる作品です。
「ごめん。」に込められた心情がとてもよく描かれており、脳内でフィードバックされていきます。それくらい、この「ごめん。」という言葉に慣れていないのかなと考えてしまいます。
表紙がなぜか猫なのですが、実は人間以外の登場者で、この猫が主役の回があります。
最初は読んでいて全然わかりませんでした。そこも作者の技術の賜物なのかなと思いました。